岐阜の花屋 プハラ です。岐阜市福光西2丁目3-5    丸五アパート101      天神川沿い どんぐり公園向かいにお店があります。 tel:058-260-6636 mail:puhara@nifty.com


by puhara
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シロさんのこと

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シロさんのこと


2018年7月30日 13:25
シロさんが虹の橋を渡ってゆきました。
21年とおおよそ3カ月、大往生と言っていいのかもしれません。

シロさんは相方の実家で飼われていた猫なのですが、今年の5月半ばに義母が緊急入院し、急遽うちで預かりました。
ひと月後に義母は退院しましたが、2匹いる猫の世話は病み上がりの身体にはたいへんということで、そのままうちで暮らすことになりました。もう1匹は当ブログに登場したこともある 「ハナちゃん」です。

シロさんは21年前のゴールデンウィークの前日に、相方に拾われてやってきました。
なんでも職場に「落ちてた」らしく、人に捨てられたのか親に育児放棄されたのか、まだへその緒もついてるような産まれたての状態だったそうで、このまま連休に突入する職場に放っておいたらいずれ死んでしまうのを見かねて、だったそうです。
この時2匹いた仔猫のうち、生き残ったのがシロさんです。

「まだ食餌も排泄も自力でできない仔猫を俺が育てた」とは、相方がよく語ります。
最初は綺麗な真っ白なネコだったから、名前は「シロ」成長するにしたがって、実は三毛猫だったいうことが判明するのですが……

早くに親と離れた猫は、どこかコミュニケーション不全が出てくるってのは、何かで読みました。
そして三毛猫はかなり気が強くプライドも高くて自立心も強いのだとも聞きます。
その通りにシロさんもなかなかに凶暴で、迂闊に触ると噛み付くし引っ掻くし、ケガをするぞ!ってのは相方から散々聞かされておりまして、私としては実家に遊びに行っても積極的にシロさんに関わろうとはしておりませんでした。
そんなこんなで21年。

相方の家では先代猫のクロを見送り、パグのごんたさんを見送り、ハナちゃんを迎え、シロさんも立派な老猫になってました。ちなみにシロさんはこの同居人たちどの子とも、そう親密な関係は築いてなかったもよう。いたって気ままにマイペースに年齢を積み重ねていたみたいです。
けど大きな病気も怪我もなく21年生きられたっていうのは、なかなかにすごいことだと思っています。
とはいえやはり老いの波は目に見えて寄せてきて、ここ数年はわかりやすくヨボヨボみを増し、毎年「この夏を越せるかな?」「この冬はどうだろう?」と言われてました。
ただシロさんは、老いても食欲が衰えなかった。
ごはん時には食卓の横にチョコンとおすわりして、パンとかおかずとか何かしらを強請っては気ままに食べていたそうです。




猫にとって環境が変わるのはとてもストレスになるとも聞きました。しょうがないこととはいえ、最晩年になっての引越しだなんて、最大のストレスを与えてしまったことは、本当に申し訳なくてなりません。いちばん慣れ親しんでたお義母さんから、突然引き離されてしまったわけですし……

うちに来て最初のうちは当然戸惑っていたと思います。というかピリピリしてた。2猫は元々たいして仲良しでもなかったんですけど、ハナちゃんがそばを通るたびに威嚇してましたっけ。
それから、どれだけ欲しがっても人の食べ物は一切与えませんでした。今思えば、晩年くらい好きなもの食べさせてあげたらよかったのかもしれないけど、塩分とか酵母とか少しでも身体に悪そうなものを遠ざけたかった。

ハナちゃんはもともと私が出会った猫でしたし、当時賃貸住まいで飼えなかった私たちの代わりに実家でお世話してもらってたのですが、実家に顔出すたびにニャーニャースリスリ甘えてきてたのでこの子のことは可愛がってました。でも正直シロさんとはあまり触れ合わず、シロさんが私に懐くことは期待してませんでした。触られるのが嫌いな子だと聞いててほとんど交流してこなかったし、シロさんからしてもたまに来るお客様状態の私をどの程度認識してるかわからなかったんですよ。
なのでうちに来たとしても、トイレ掃除&餌やりマッスィーンくらいの、いたってドライな関係なのかな〜とか。

けどそこはやっぱり、一緒に居ると馴染むみたいですね。そして動物は胃袋を掴むのがいちばん。
私のことをごはんくれる人と認識してからは、一歩一歩交流が増えました。物理的に。うちに来た時からわりにヨボヨボだったので、シロさんの居場所はほぼ1階になるだろうとタカを括ってたけど、最初は大声で呼ぶだけだったのが日毎に階段を登り、2階の私の寝室まで「エサクレー」って起こしに来た朝の衝撃たるや!おまいさんそんな体力あったんだ⁉︎って。
それからしばらく、ちょうど夏至のあたりは4:00起床の日々でした。といっても、爪をしまえなくなったシロさんが歩いてくる音で自然に目が覚めてしまうんですけど。
そしてまだ涼しいうちは2階の階段フロアがシロさんの主な居場所になり、私が仕事から帰宅したときも上階から階段を降りてお出迎えに来てくれてました。ハナちゃんより先に。
そういえばご挨拶をきちんとしてくれるのは、わりにシロさんの方でしたっけね。
どちらかといえば触れ合いを好まない、人に執着しなさそうなシロさんが、私の部屋のチェストや本棚とかに顔を擦り付けてるのを見たときも、胸が熱くなりましたね。

ごはん時にたいして仲良しでもない2猫が、私の足元で並んでニャーニャー言ってる姿が好きでした。突然の大雨に部屋の中が水浸しになった時、帰宅した私にさも大変!大変!と言わんばかりに駆け寄ってくるテンションが同じ2猫に笑ってしまいましたっけ。
ゴロゴロ言うのを聞いたことない子でしたけど、稀に鳴き声にビブラートがかかることがあって、コレがソレなのかって気づいた時とか、淡々とした老猫だと甘く見てた私にたくさんの驚きをくれたのはシロさんでした。
ン10年ぶりに風呂に入れてみたり、ベランダで乾かしてみたり、どんどんコミュニケーションが噛み合ってくることがうれしくて楽しかったんです。


今年の梅雨は変な感じでしたけど7月に入り、記録的な大雨の後にものすごく暑くなって、ドライフードをあんまり食べなくなってきました。ウェットフード主体にしつつも、健康のために手を替え品を替えどうにかドライを食べさせるようにも知恵を絞りましたよね。
私たちが留守にするお昼間はエアコンを入れてました。室内ではいちおう猫の通り道を作ったりもしてたけど、窓を閉め切っていたのがストレスになってはいなかっただろうか?とか……この頃から衰えてきてるのが伝わってきてましたから。
さらに痩せて、以前みたいな香箱座りをしなくなって、フローリングの上で倒れるように横たわることが多くなりました。トイレが間に合わないのか粗相をすることも増えてきてました。
それでもどうかこれは一時的な夏バテで、この暑さを乗り切ったら昨年みたいに食欲も体力も回復して欲しいと願ってました。
もう階段上るのもしんどいかな〜と思ってた時に、目を離した隙に久しぶりに2階の私の部屋に居たときは、驚きつつも嬉しかったりしました。ただ、さらに細くなった足腰では色々と覚束なくなってきてましたけど。

台風が来た日くらいから、なんだかシロさんの様子がおかしかった。やけに鳴くんですよね。誰かを探してるみたいに。やけに赤ちゃん還りしてるみたいに。
そして夜ごはんを残しました。たぶん初めて。あれだけ大好きだったちゅ〜るからも顔をそらすようになり、シリンジからあげようとしたお水も拒否。
その時に、あぁそうか、いよいよなのか……と。

そして29日は相方とずっとそばにいました。
この時にはもう動くこともなく、ねこベッドに横たわったまま。時折口をムリャムニャするから水をあげようとしても拒否。このあたりではもう、体内の余分なものを排出する感じになってきていました。
猫という生き物は、こうやって綺麗に始末をつけようとするのかと思ったものです。
それでも間際までオムツのお世話にはならなかったし、自力でトイレに行こうという意志は感じられました。プライドの高いシロさんらしいなと。
たまに藻搔いたりするときは体制を変えたりしてやりながら、呼びかけたり撫でさすったり。正直、夜か、明け方にはお別れかもしれないと思ってました。
余談ですが、29日は相方の誕生日でもありまして、その日が命日になるのは切ないな…なんて少しだけ思ったりもしたのですが、シロさんは日付けが変わっても頑張ってくれていました。

うちに迎えた時から相方と相談して、無理な延命はせず、できる限りストレスなく、伸び伸び過ごせる環境を作ることを最優先しようと決めていました。
どこかしら痛かったりしんどかったりはあったかもしれません。けどそれほど苦しそうでもなく、見えているのかいないのか、聴こえているのかいないのか、うつらうつら微睡んでいるようでした。体温が低くなって、シロさんに呼吸を合わせてると私でもかなりの深呼吸になるくらい息もゆっくりになって、でも時折目に表情が戻ることがあって、声にならない声で鳴くんです。
この子は亡くなる準備をしてるんじゃなくて、生き切ろうとしてるんだなと、なんかたまらなかったです。

何度かもがくような仕草があって、吐きたそうだけどもう胃の中も空っぽで、身じろぎをした後に猫ベッドの縁からがっくり落とした首を支えた私の手の中で、シロさんが逝ったのがわかりました。わかるもんなんですね……

シロさんをうちで預かることにした日から、この子は私が看取るのだと、勝手に決意してました。
私なんかに看取られるのは彼女の本意ではなかったかもしれないけど、最後の瞬間にそばについててあげられたことだけは、よかったんじゃないかと自分勝手にも思っていたりします。
あれでいて人の近くが嫌いではなかったみたいだし。









シロさんの使ってた器やトイレを洗って、猫砂もシーツもゴミに出し、シロさんの猫ベッドやマットを洗濯してシロさんのいたスペースを掃除したら、やたらと広く感じます。あんなに小さな猫だったんですけどね。こうして日常の時間に洗われていくのも仕方ないんですけど、やっぱりさみしい。
二人と二匹、どこにも血縁はないのに縁あって一緒に暮らしている状態というのは大変なりに、思ってたよりずっと心地良かった。

シロさんのためのシニア用のフードはまだたくさん残ってます。ドライはもちろん、パウチもいろんなのを取り揃えてどういう献立であげるかを考えるのは、私の楽しみでもありました。今後は少しずつハナちゃんに消費してもらうつもりでいます。

一緒に暮らしたのはほんの2カ月半。彼女の猫生からしたら、ほんの短い時間です。家族とよべるには浅すぎるでしょう。
できる限りのことはしたつもりでいますが、私がよい下僕であったかはよくわかりません。本来なら長く一緒にいたお義母さんに看取って欲しかっただろうなとは思います。そこはね、本当に申し訳ない。
けど、私はシロさんのことを知ることができて、本当に嬉しかった。心からそう思っています。
できればシロさんにも、ここんちもまぁ悪くはないくらいに思っててもらえてたらいいなぁ……





私の部屋は2階南向きで大きな窓があって、夏はいちばん暑いけど秋〜春はとても心地が良いのです。
いっしょに日向ぼっこしたかった。気候が良い時はもっとベランダにも出してやろうと思ってました。なんなら近くの芝生に連れ出してやる作戦もありました。
冬には炬燵を出して、憧れのコタツ猫をしてみたかった。

天寿と言われたら、そうなのかもしれません。
相方がよく言ってました。「一日一日が奇跡の更新」
けれど個人的にわがまま言うなら、できればもう少し、一緒に過ごしたかった。

明日から8月なんですね。
相方も私もそしてハナちゃんも、余白ができたうちの中に少しずつ慣れて、でも時折急にシロさんの匂いやら声やら体温やらを思い出して寂しくなるのかもしれません。

平成最後の夏は、この先もずっと忘れられない夏になります。
シロさん、ありがとうね。



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by puhara | 2018-07-31 11:47 | 店主の日常 | Comments(0)